「封緘」という言葉を見て、正しく読めますか?封筒を閉じた後に書く「〆」マークの意味をご存知でしょうか?ビジネスシーンや重要書類の送付では、正しい封緘の知識が不可欠です。
本記事では、封緘の読み方から正しい封の仕方、封字の種類、ビジネスマナーまで、封筒の封緘について徹底解説します。
他の関連記事をチェックする
目次
- 封緘とは?基本の理解
- 封筒の正しい閉じ方・封の仕方
- 封字の種類と書き方
- よくある間違いと正しい方法
- 重要書類の封緘方法
1. 封緘とは?基本の理解
封緘の読み方と意味
封緘の読み方
封緘(ふうかん)
意味:
封筒や書類を閉じ、封印すること
開封されていないことを示すための処理
封緘の目的
✓ 内容物の保護
✓ 未開封であることの証明
✓ プライバシーの保護
✓ 改ざん防止
✓ ビジネスマナーの実践
「封をする」とは?
「封をする」は封緘と同じ意味で、より一般的な表現です。
封をする手順
1. 書類を封筒に入れる
2. フラップ(封筒のフタ)を閉じる
3. 糊付けまたはテープで接着
4. 封字(〆など)を書く
封をする場面
✓ 請求書・納品書の送付
✓ 契約書類の郵送
✓ 履歴書の提出
✓ 重要書類の発送
✓ プライベートな手紙
封緘と封印の違い
封緘(ふうかん)
意味:封筒を閉じること全般
範囲:日常的なビジネス文書
方法:糊付け+封字
封印(ふういん)
意味:より厳格な封じ方
範囲:公的文書、契約書など
方法:印鑑、封蝋(シーリングワックス)など
使い分け
一般的なビジネス文書:封緘
重要な契約書・公文書:封印
プライベートな手紙:封をする
2. 封筒の正しい閉じ方・封の仕方
基本的な封筒の閉じ方
手順1:書類の確認
封をする前に必ず確認:
□ 必要な書類がすべて入っているか
□ 宛名と中身が一致しているか
□ 折り方は適切か
□ 余分なものは入っていないか
手順2:フラップを閉じる
1. フラップ(封筒のフタ部分)を折る
2. 封筒本体に密着させる
3. しわや浮きがないか確認
手順3:糊付け
【糊の種類】
✓ 液体糊:最も一般的、均一に塗れる
✓ スティック糊:手軽、ビジネス向き
✓ 両面テープ:強力、きれい
✓ セロハンテープ:NG(ビジネスでは不適切)
【糊の塗り方】
- フラップの縁全体に均一に塗る
- 薄すぎず厚すぎず
- はみ出さないように注意
手順4:しっかり圧着
1. フラップを閉じる
2. 全体を手で押さえる
3. 特に角を重点的に
4. 5〜10秒しっかり押さえる
手順5:封字を書く
糊が乾いたら封字を記入
(詳細は次章で解説)
封筒の種類別の閉じ方
長形封筒(縦型)
特徴:
- A4三つ折りが入る
- 最も一般的なビジネス封筒
- フラップは上部
閉じ方:
1. 書類を入れる
2. 上部のフラップを閉じる
3. 糊付けして圧着
4. フラップ中央に封字
角形封筒(大型)
特徴:
- A4が折らずに入る
- 書類がきれいに保てる
- フラップは上部または側面
閉じ方:
1. 書類を平らに入れる
2. フラップを閉じる
3. 糊付けは端まで丁寧に
4. フラップ中央に封字
洋形封筒(横型)
特徴:
- 横長の封筒
- 招待状などに使用
- フラップは裏面
閉じ方:
1. カードを入れる
2. 裏面のフラップを閉じる
3. 糊付けして圧着
4. フラップ右側に封字
封筒の後ろ(裏面)の処理
裏面に書くもの
✓ 差出人の郵便番号
✓ 差出人の住所
✓ 差出人の氏名
✓ 封字(封緘マーク)
裏面レイアウト例
【縦書き封筒の裏面】
〒123-4567
東京都○○区○○1-2-3
山田太郎
〆(封字はフラップの合わせ目)
裏面と表面の使い分け
表面のみに差出人を書く場合:
- DM・案内状など
- よりすっきりした印象
裏面に差出人を書く場合:
- 正式なビジネス文書
- より丁寧な印象
- 伝統的な書き方
3. 封字の種類と書き方
「〆」(しめ)の書き方
「〆」は最も一般的な封字です。
正しい書き方
【〆の構造】
┌─┐
│ │ ← 縦線
└─┘ ← 横線で囲む
書き順:
1. 左上から右下への斜め線
2. 右上から左下への斜め線
3. 下部の横線
〆を書く位置
【縦書き封筒】
フラップの中央、糊付け部分の上
【横書き封筒】
フラップの右側
〆の大きさ
推奨サイズ:10mm〜15mm
- 大きすぎず小さすぎず
- はっきり見える大きさ
- フラップ幅の1/4程度
〆を書く筆記具
✓ 黒の万年筆:最もフォーマル
✓ 黒のボールペン:一般的
✓ 黒のサインペン:読みやすい
✗ 鉛筆・シャープペン:消える可能性
✗ 赤ペン:警告の印象
✗ 青ペン:カジュアルすぎ
「緘」(かん)の書き方
「緘」はよりフォーマルな封字です。
緘の意味
緘(かん)= 封じる、閉じる
用途:
- 重要書類
- 契約書
- 公的文書
- 格式高い文書
緘の書き方
漢字「緘」を楷書で丁寧に書く
【注意点】
- 画数が多いため丁寧に
- 略字は使わない
- 大きさは〆より若干大きめ
緘を使う場面
✓ 契約書の送付
✓ 重要書類
✓ 法的文書
✓ 格式を重んじる文書
✗ 日常的なビジネス文書(過剰)
✗ 親しい相手への手紙(堅苦しい)
その他の封字
「封」(ふう)
意味:封じる
用途:やや古風、格式ある文書
書き方:漢字「封」を楷書で
「締」(しめ)
意味:締める、閉じる
用途:〆の代わり、やや現代的
書き方:漢字「締」を楷書で
「〆」と「×」の違い
【正しい】
○ 〆(しめ)
斜め線が中央で交差
【間違い】
✗ ×(バツ)
完全に交差するバツ印
注意:
×はNG、否定の意味になる
必ず〆を使用すること
封字を書かない場合
封字が不要なケース
✓ シールやテープで封をした場合
✓ セキュリティシール使用時
✓ 透明封筒(中が見える)
✓ カジュアルな私信
封字の代わりになるもの
- セキュリティシール
- 「開封厳禁」スタンプ
- 会社の封緘印
- 封蝋(シーリングワックス)
4. よくある間違いと正しい方法
間違い1:封筒に「×(バツ印)」を書く
❌ 間違った例
封筒のフラップに×印
理由:
✗ ×は否定・拒否の意味
✗ 「無効」「不要」の印象
✗ ビジネスマナー違反
⭕ 正しい例
〆(しめ)を書く
理由:
✓ 正式な封字
✓ 「しっかり封じた」の意味
✓ ビジネスマナーに適合
間違い2:セロハンテープで封をする
❌ 間違った例
セロハンテープで封筒を閉じる
⭕ 正しい例
糊付けまたは両面テープ
理由:
✗ セロハンテープは見た目が悪い
✗ 剥がれやすい
✗ ビジネスでは不適切
✓ 糊は最も標準的
✓ 両面テープは強力できれい
間違い3:封字を書かない
❌ 間違った例
糊付けだけで封字なし
⭕ 正しい例
糊付け+封字(〆)
理由:
✗ 開封されたか判別できない
✗ 封が甘いと勝手に開く可能性
✓ 封字で未開封を保証
✓ ビジネスマナーの基本
間違い4:印鑑を封字代わりに押す
❌ 一般的には不要
封筒のフラップに印鑑を押す
⭕ 基本は封字のみ
〆または緘を書く
ただし例外:
✓ 重要契約書類(印鑑も併用)
✓ 社内規定がある場合
✓ 公的文書で指定がある場合
封緘印を使う場合
企業によっては専用の封緘印あり
例:
- 会社のロゴ入り印
- 「封」の文字印
- セキュリティ印
使用方法:
封字の代わりに押印
または封字と併用
間違い5:封滅(ふうめつ)の誤解
「封滅」という言葉は誤用
✗ 封滅(ふうめつ)
→ 正しい日本語ではない
✓ 封緘(ふうかん)
→ 正しい用語
封を開けることの正しい表現
✓ 開封(かいふう)
✓ 封を切る
✓ 封を開ける
✗ 封滅(誤用)
間違い6:「ばってん」を書く
❌ 間違った例
封筒に「ばってん(×)」を書く
⭕ 正しい例
〆(しめ)を書く
注意:
方言で「ばってん」と呼ぶ地域もあるが、
実際に書くのは〆であり×ではない
5. 重要書類の封緘方法
重要書類の定義
重要書類とは
✓ 契約書
✓ 機密文書
✓ 個人情報を含む書類
✓ 法的効力のある文書
✓ 金銭に関わる書類
✓ 人事関連書類
重要書類専用の封筒
封筒の選び方
✓ 二重封筒:中が透けない
✓ クラフト封筒:厚手で丈夫
✓ セキュリティ封筒:特殊加工
「重要」「親展」の表示
【表示位置】
封筒表面の左下
【表示方法】
重要書類在中
親展
秘
機密文書
※ 赤字で記載
※ 四角で囲む
二重封緘の方法
特に重要な書類は二重に封をします。
二重封緘の手順
1. 書類を内封筒に入れる
↓
2. 内封筒を封緘(〆または緘)
↓
3. 内封筒を外封筒に入れる
↓
4. 外封筒を封緘(〆または緘)
↓
5. 外封筒に「重要書類在中」記載
二重封緘のメリット
✓ 高いセキュリティ
✓ 未開封の保証
✓ プライバシー保護
✓ 配送中の保護
✓ 格式と信頼性の演出
封緘印の押し方
重要書類では封字に加えて印鑑を押すこともあります。
封緘印を押す位置
【方法1:封字の代わり】
フラップの中央に印鑑を押す
(〆は書かない)
【方法2:封字と併用】
〆を書いた上に印鑑を押す
または
〆の横に印鑑を押す
封緘印の種類
会社印:社印、角印
部署印:部署名入り印
個人印:担当者の認印
注意:
実印は不要
認印で十分
押印の注意点
✓ 朱肉を使用(スタンプ印はNG)
✓ まっすぐ押す
✓ かすれないように
✓ 封筒とフラップにまたがって押す
(割印のように)
書留・配達証明での送付
書留の種類
一般書留:
- 損害賠償あり(最大500万円)
- 配達の記録
- 重要書類に最適
簡易書留:
- 損害賠償あり(最大5万円)
- 配達の記録
- 一般書留より安価
現金書留:
- 現金専用
- 専用封筒使用
配達証明
内容:
配達した事実を証明する郵便
用途:
- 法的文書
- 契約書
- 重要な通知
料金:
一般書留 + 配達証明料金
よくある質問(FAQ)
Q1. 封緘の正しい読み方は?
A. 「ふうかん」と読みます。
Q2. 〆と緘、どちらを使うべき?
A. 一般的なビジネス文書は〆、重要書類は緘を使います。
【〆を使う場面】
✓ 日常的なビジネス文書
✓ 請求書・納品書
✓ 案内状
✓ 一般的な郵便物
【緘を使う場面】
✓ 契約書
✓ 重要書類
✓ 公的文書
✓ 格式を重んじる文書
Q3. セロハンテープで封をしてもいい?
A. ビジネスでは不適切です。
推奨:
✓ 液体糊またはスティック糊
✓ 両面テープ
NG:
✗ セロハンテープ(見た目が悪い)
✗ マスキングテープ(カジュアルすぎ)
理由:
ビジネスシーンでは糊付けが基本マナー
Q4. 封緘印は必要ですか?
A. 一般的には不要、重要書類では任意です。
【不要なケース】
一般的なビジネス文書
→ 封字(〆)のみで十分
【必要なケース】
重要契約書、公的文書
→ 封字+印鑑で確実性向上
【会社規定による】
社内ルールで封緘印が指定されている場合
Q5. 封字は誰が書くべき?
A. 差出人本人または担当者が書きます。
✓ 個人の手紙:差出人本人
✓ ビジネス文書:担当者
✓ 重要書類:責任者
注意点:
封字は「この封筒を責任持って封じた」
という意味なので、適切な担当者が記入
Q6. 封字を書き間違えた場合は?
A. 新しい封筒で送り直すのが理想です。
【推奨方法】
新しい封筒に入れ替えて再封緘
【やむを得ない場合】
- 二重線で消して近くに正しく書き直す
- ただしビジネスでは印象が悪い
重要書類の場合:
必ず新しい封筒で送り直す
Q7. 透明封筒の場合も封字は必要?
A. 中身が見える場合は省略可能です。
透明封筒・窓付き封筒:
封字は不要(見た目が不自然)
ただし:
✓ しっかり糊付けすること
✓ 必要に応じてセキュリティシール
完全に不透明な封筒:
封字は必須
DM作成・発送をトータルサポート
当社では、DMテンプレートを活用したデザイン制作から発送まで、ワンストップでサポートいたします。
サービス内容
- テンプレートベースのデザイン提案
- オリジナルデザイン制作
- 高品質印刷
- 宛名印字・封入
- 発送代行
「テンプレートを使いたいけど、カスタマイズが不安」 「もっと反響の出るデザインにしたい」
そんなご要望に、豊富な実績でお応えします。
